りんご大好き三浪生の日常

国公立大理系志望三浪生の日々を綴ります。

5億年ボタン

みなさんは5億年ボタンというものをご存知ですか。

ひとたびボタンを押せば、何もない空間へと送られ、その空間で5億年過ごす代わりに100万円が得られるというものです。

しかし、その空間で過ごした記憶というのは5億年が経った時点で全て消えてなくなってしまいます。

つまり、ボタンを押した後気がつけば手元には100万円がポンと置かれている状況になっているわけです。夢のような光景です。私たちが常日頃望んでいる、何もせずとも大金を手に入れられる、そんな状況です。一体記憶がないというのはいかに素晴らしいことでしょうか。

また、その空間というのが一風変わっていて、様々な制約が存在します。

例えば、眠ることも死ぬこともできません。

それに、何かを食べることも出来なければ、物を持ち込むことも、かといって、何か遊び道具があるというわけでもないのです。娯楽は存在しません。

ただ、本当に何もない空間に5億年。

あなたは耐えられますか。

 

私は今日、単調作業の日雇いバイトを時給1200円で5時間こなしてきました。

まさに地獄でした。

時給に釣られて応募してみたものの、他のバイトでの10時間労働よりもキツかったです。

けれども、仕事をこなしてしまった今手元には6000円という学生にとっては比較的大きなお金がその対価としてしっかり握られています。

そして、単調作業という仕事の特性上なのか、ただ辛かったという思いが心のどこかにあるだけで、仕事中の記憶はないのです。

人間には、多かれ少なかれ必ずそれぞれに長所と短所というものが存在すると思います。

私に関して言えば、長所である現実逃避力の高さは同年代の人間のそれより群を抜いているのではないかと自負しています。嫌なことがあっても脳みそが優先的に強くその記憶を消そうと働きます。

したがって、今残っているこの気持ちも恐らく明日にでもなればすっかり忘れてしまっていることでしょう。

つまり、今ここに5億年ボタンと全く同じ状況が私の無能さ故に引き起こされているのです。

 

私はまたこのバイトに応募しちゃうのでしょうか。